「今月は払えないと連絡が来た」「事情を聞いたら本当に苦しそう…でも応じていいの?」
養育費の支払いが止まりそうになった時、どこまで相手に寄り添っていいのか判断に迷う方は多いと思います。この記事では養育費が払えないと言われた時の正しい対応を解説します。
まず「払えない」理由を確認する
相手から「養育費が払えない」と言われた時、すぐに応じるのも、すぐに拒否するのも得策ではありません。まずは理由を冷静に確認しましょう。
・収入が一時的に減った(病気・怪我・リストラなど)
・会社の業績が悪化した
・自営業で税金の支払いが重なった
・再婚して出費が増えた
本当にやむを得ない事情がある場合と、単なる言い訳の場合では対応が変わってきます。
1回は様子を見てもいい場合がある
実務に携わった経験から、相手が本当に払えない状況というのは実際にあります。
1回だけ様子を見ることは選択肢の一つですが、その場合に重要なのが相手の態度と行動です。
信用できる相手の特徴
・自ら「払えなかった分を○月までに支払う」という具体的な支払い計画を提案してくる
・連絡を避けず誠実に対応している
・理由が明確で証拠がある(診断書・給与明細など)
自ら支払い計画を提案してくる相手は、払う意思があるということです。このような場合は一時的に様子を見ることも選択肢に入ります。
放置するのは絶対にNG
一方で、相手からの連絡を待ちながら放置するのは危険です。
実務上感じることとして、「1ヶ月払わなかったから、2ヶ月目も大丈夫だろう」と相手に思われてしまうリスクがあります。
払わない習慣が一度できてしまうと、その後の回収が非常に難しくなります。
絶対にやってはいけないこと:
・何も言わずに待つ
・「まあいいか」とそのまま流す
・曖昧な返事で終わらせる
応じてはいけない場合
以下のような場合は安易に応じてはいけません。
① 「払えるかわからない」で放置しようとしている
具体的な支払い計画もなく「払えるかどうかまだわからない」という曖昧な返答をしてくる場合は要注意です。誠実な対応とは言えません。
② これまでも同じことを繰り返している
過去にも同じ理由で支払いを止めたことがある場合は、また同じことが繰り返される可能性が高いです。
③ 収入があるのに払わない
SNSや周囲からの情報で相手が旅行や外食をしているのに「払えない」と言ってくる場合は、単なる言い訳の可能性が高いです。
④ 連絡が取れない・無視している
「払えない」とも言わず連絡が取れない場合は、逃げている可能性があります。すぐに法的手段を検討してください。
一時的に応じる場合の必須条件
どうしても一時的に応じる場合は、以下を必ず守ってください。
① 口頭ではなく書面に残す
・減額する金額
・減額する期間(○月〜○月まで)
・未払い分をいつまでに支払うか
・元の金額に戻す時期
これらを必ず書面に残してください。口頭だけでは後から「そんな約束はしていない」と言われるリスクがあります。
② 期限を明確にする
「収入が安定したら払う」という曖昧な約束はNGです。「○月○日までに払う」という具体的な日付を決めてください。
③ 減額は一時的なものと明記する
「一時的な減額であり、元の金額に戻すことを合意している」と書面に明記しておくことで、後から「減額での取り決めが成立した」と主張されるリスクを防げます。
応じない場合の対応
相手の言い訳が不誠実だと判断した場合や、書面での合意を拒否された場合は以下のステップで対応してください。
STEP1:内容証明郵便で催告書を送る
STEP2:公正証書・調停調書がある場合は強制執行を申し立てる
STEP3:取り決めがない場合は調停を申し立てる
収入が減ったことを証明してもらう
相手が「収入が減った」と言う場合は、証拠の提出を求めることができます。
・源泉徴収票
・給与明細
・確定申告書(自営業の場合)
・会社からの通知書(リストラの場合)
証拠もなく言葉だけで「払えない」と言ってくる場合は、応じる必要はありません。
よくある質問
Q. 相手が病気で本当に払えないと言っています。どうすればいいですか?
A. 診断書など証拠の提出を求めてください。本当に病気であれば証拠を出すことは難しくないはずです。一時的な減額に応じる場合は必ず書面に残してください。
Q. 一時的に減額に応じたら、元の金額に戻してもらえますか?
A. 書面に「一時的な減額であり元の金額に戻す」と明記していれば請求できます。口頭での約束だけだと、相手に「減額での取り決めが成立した」と主張されるリスクがあります。
Q. 相手から「今月は無理」と毎月言われます。どうすればいいですか?
A. 毎月同じことを繰り返している場合は誠実な対応とは言えません。早めに弁護士に相談して法的手段を検討することをおすすめします。
まとめ
- 「払えない」と言われても、すぐに応じるのもすぐに拒否するのも得策ではない
- 本当に払えない事情がある場合は1回様子を見ることも選択肢の一つ
- 自ら支払い計画を提案してくる相手は信用できる可能性が高い
- 曖昧な返答で放置すると「払わなくても大丈夫」と思われるリスクがある
- 一時的に応じる場合は必ず書面に期間・金額・元の金額に戻す時期を明記する
- 収入が減ったと言う場合は源泉徴収票などの証拠提出を求める
- 不誠実な場合はすぐに法的手段を検討する
養育費の支払いトラブルは一人で抱え込まず、早めに専門家に相談することをおすすめします。

