連絡が取れない元配偶者を探す方法【職務上請求・弁護士会照会とは】

養育費回収

「元配偶者と連絡が取れない」「催告書を送りたいけど今どこに住んでいるかわからない」

養育費の請求や強制執行を進めるには、相手の現住所が必要になります。離婚から何年も経っていると、相手がどこに引っ越したかわからなくなっているケースは少なくありません。この記事では連絡が取れない元配偶者の現住所を調べる方法を解説します。

なぜ相手の現住所が必要なのか

催告書の発送、調停の申し立て、強制執行など、相手に対して何らかのアクションを起こす場合、いずれも相手の現住所が必要になります。

・催告書(内容証明郵便)の発送先
・調停の申立先(相手方の住所地の家庭裁判所)
・強制執行の申立て

これらはすべて「相手がどこにいるか」がわからなければ進められません。


婚姻関係があった場合:戸籍を辿って住所を特定する

離婚した相手と婚姻関係があった場合(つまり認知などではなく正式に結婚していた場合)は、戸籍を辿ることで現住所を特定できる可能性があります。

STEP1 婚姻時の本籍地から相手の戸籍を取得する

まず婚姻時の本籍地がわかれば、そこから相手の戸籍を取得します。離婚後に相手が新しい戸籍を作っている場合、その新しい戸籍の本籍地が記載されています。

STEP2 相手の本籍地から「戸籍の附票」を取得する

相手の本籍地がわかったら、その役所で「戸籍の附票」を取得します。戸籍の附票には、その戸籍が作られてからの住所の履歴が記載されているため、現住所を確認できます。

直近の住所がわかっている場合

相手の直近の住所をすでに知っている場合は、その住所地の役所で住民票を取得することで、最新の現住所を確認できる場合もあります。


弁護士に依頼すれば「職務上請求」が使える

これらの戸籍謄本・戸籍の附票の取得は、弁護士であれば「職務上請求」という方法で取得してもらうことができます。

弁護士が職務上請求を使う場合、依頼者が役所に出向く必要はなく、弁護士が必要な書類を集めて手続きを進めてくれます。なお、どの役所も郵送対応が可能なので、本人が直接取得する場合でも、遠方の役所であれば郵送でのやり取りが可能です。


婚姻関係がなかった場合:弁護士会照会という方法

中には認知や婚姻関係がなく、戸籍を辿る方法自体が使えないというケースもあります。

このような場合には「弁護士会照会」という制度を使う方法があります。

弁護士会照会とは

弁護士会照会は、弁護士が所属する弁護士会を通じて、企業や団体に対して必要な情報の開示を求める制度です。

例えば、相手の携帯電話番号がわかっている場合、ドコモ・ソフトバンクなどの携帯キャリア会社に対して弁護士会照会を行い、その携帯番号を契約した当時の住所などの情報を開示してもらうという方法が使えます。

そこで判明した過去の住所から、改めて戸籍等を取得していくことで、現在の住所まで辿っていくことができます。


住所の届出すらされておらず、全く手がかりがない場合

相手が住所の届出(転入届など)を出さずに生活している場合、戸籍の附票にも現住所の情報が反映されないことがあります。

このように手がかりが全くない場合は、探偵に依頼して特定してもらうしかないのが実情です。費用はかかりますが、戸籍や弁護士会照会でも特定できないケースの最終手段として検討されます。


相手の現住所がわかったら

現住所が判明したら、以下のステップに進めます。

STEP1 内容証明郵便で催告書を送る
STEP2 話し合いで解決しなければ調停を申し立てる
STEP3 公正証書・調停調書があれば
    強制執行を申し立てる

探す方法のまとめ表

状況探す方法
婚姻関係があった戸籍→戸籍の附票で現住所を特定
直近の住所がわかっているその住所地で住民票を取得
婚姻関係がない・認知なし弁護士会照会(携帯番号等から特定)
住所の届出すらない探偵に依頼するしかない

自分で対応するか弁護士に依頼するか

戸籍の附票の取得は、本人であれば自分で役所に請求することも可能ですが、弁護士会照会は弁護士でなければ利用できません。

相手の状況によって使える手段が変わってくるため、自分で対応できるか不安な場合は早めに弁護士に相談することをおすすめします。


よくある質問

Q. 相手の現住所がわからないと養育費の請求自体ができませんか?
A. できません。催告書の送付や調停の申し立てには相手の住所が必要なため、まずは住所の特定を進める必要があります。

Q. 相手の携帯番号もわからない場合はどうすればいいですか?
A. 婚姻関係があれば戸籍を辿る方法が使えます。それも難しい場合は、最終的に探偵への依頼を検討することになります。

Q. 弁護士会照会は誰でも使えますか?
A. いいえ。弁護士が所属する弁護士会を通じて行う制度のため、弁護士に依頼している場合にのみ利用できます。


まとめ

  • 催告書・調停・強制執行には相手の現住所が必要
  • 婚姻関係があった場合は戸籍→戸籍の附票で現住所を特定できる
  • 弁護士に依頼すれば職務上請求で取得を任せられる
  • 婚姻関係がない場合は弁護士会照会(携帯番号からの特定など)が使える
  • 住所の届出すらされていない場合は探偵に依頼するしかない
  • 状況によって使える手段が異なるため早めに弁護士に相談することが大切

連絡が取れない元配偶者を探すのは一人では難しい場合があります。まず専門家に相談してみてください。

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